家が買えない・借りられない ~混乱する不動産市場~

アメリカの不動産価格と家賃価格の上昇が止まりません。テキサス州不動産協会が発表した2021年1~3月の四半期住宅レポートによると、テキサスの住宅の平均販売価格は昨年の同時期に比べて13.4%上昇しました。売り家の供給不足により、ほとんどの地域で価格が大幅に上昇し、2006-07年の住宅ブーム以来、住宅購入者にとって最も競争の激しい住宅市場の一つとなっています。 

 

3%前後の低金利に加え、コロナの影響でアパートから戸建てへの住み替え需要が急増し、郊外の庭付き一戸建て、特にプールつきの家の人気が加熱しています。あまりに速く売れるので、売り物件が市場に出ている日数は、もはや時間単位で測定されているほどです。売り出し価格に2~6万ドルの上乗せは当然で、インスペクションをせずにAs isで買うとか、通常は売り手が払うコストをすべて買い手が払うなど、売主にとってかなり好条件のオファーを出さないと勝てないのが現状です。このような異常な不動産市場では、家の値段はその家の価値で決まるのではなく、需要と供給のバランスと切羽詰まった買い手の心理で決まってしまいます。 

 

新築の争奪戦もすさまじく、ビルダーのウェイティングリストには100~200人が購入のチャンスを待っています。 現地の購入者だけでなく、仕事のリモートワーク化によって他州(特に西海岸と東海岸)から夢の新築一戸建てを求めて続々とテキサスに移住しているので、この過度の需要にビルダーは対応しきれず、販売件数を厳しく制限しています。なかには販売を無期限で中止しているビルダーもあり、前代未聞の新築市場となっています。 

 

売り家不足で家が買えないことは過去に何度かありましたが、借家不足で家が借りれないのは初めてです。郊外の戸建て借家の需要が供給をはるかに上回っているため、良い借家は市場に出てすぐに申し込みが殺到し、最も高い家賃と良い条件を提示する人が選ばれるという厳しい状況です。そのため、家賃相場は、去年から10~20%高騰しています。 

買えない、借りれない、だから家を売れない、引っ越せない、この悪循環がいつまで続くのか…..

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