洪水保険

近年、水害が起こると予想されない場所で水害が発生しています。8月末のハリケーンハービーは、ヒューストンに記録的な豪雨と大規模な洪水をもたらしました。被害にあってから知る人も多いのですが、アメリカのホームオーナーズ保険(火災保険)には、洪水による水災の保障は含まれていません。例えば、強風で屋根が飛んで雨水が家の中に入ってきたことが水災の原因であれば、ホームオーナーズ保険でカバーされます。ところが、河川や貯水池が氾濫して洪水になったことが原因であればカバーされません。ですから、洪水から建物と所有物を守るためには、洪水保険に別途加入しなければいけません。

洪水保険は、アメリカ合衆国連邦政府の全米洪水保険制度(National Flood Insurance Program)に基づく保険です。保険料は、地域やFEMA(Federal Emergency Management Agency)が定める洪水危険区(Flood zone)によって違います。FEMAのFlood Map には、100年洪水時 に浸水する危険性の高い地域である100 year floodplainまたはZone A、500年洪水 時に浸水する地域である500 year floodplainまたはZone Xといったように示されています。呼び方がわかりにくいのですが、100 年洪水地域は100年に一度の確率で洪水が起こる地域ではなく、年1%の確率で洪水が起こる危険性のある地域という意味です。ですから、500年地域だと年0.5%の確率になります。危険性の高い地域では、家のローンを組む際に洪水保険の加入が義務付けられます。ヒューストンの洪水は洪水保険に入ることが義務付けられていない500 年地域と、さらにその外まで洪水被害があったため、約80%の人が洪水保険に入っていませんでした。

洪水は、海や川の近くで起こるとは限りません。洪水被害のクレームのうち、約20%は洪水地域外で発生しています。また、たった少しの浸水でも、建物の修復、殺菌処理、清掃、所有物の被害など、想像以上にお金がかかります。これを機会に、洪水保険について学び、家の保険内容を見直してみてはいかがでしょうか。

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