アメリカの住宅市場の減速

2012年から6年以上住宅価格は上昇し続けていますが、この1年で徐々に需要が減り、テキサスの第3四半期の住宅販売ボリュームは2.5%減少しました。なかでもダラス市場は大きく影響を受け、5.3%減少しました。(Texas A&M 大学Real Estate Centerのレポートより)

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住宅市場の減速には3つの主な要因があると考えられます。第一に、住宅ローンの金利が7年ぶりの高水準に上昇し、年末までには5.5%に達すると予測されていることです。金利が上がれば購入にかかるコストが増すので、特に初めて家を買う人にとっては厳しい状況になります。第二に、ここ数年の住宅価格の高騰によって、手ごろな価格の住宅が不足しています。売り物件の在庫が増えてはいるのですが、その多くはエントリーレベルではなく、中間から高級な価格層に集中しています。第三に、2018年度新税制The Tax Cuts and Jobs Actによって、賃貸に比べて所有者が居住する住宅の税制上の便益が減少しました。この税制改革によって、マイホームを持つメリットが減ったことは、住宅市場にとって望ましくない変化です。

 このような要因から、全米不動産協会は、2019年の住宅価格の上昇率は2.2%にとどまると予測しています。(参照:https://magazine.realtor/daily-news/2018/11/28/forecasters-home-buyers-sellers-may-have-tough-road-ahead)

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2017年冬、不動産動向