フェアハウジング法とは

アパートのリーシングオフィスで、「このアパートに日本人は住んでいますか?」と聞いたら、「その質問には答えられません。」と言われたことはありませんか? それは、不動産関係者が人種について発言すると、フェアハウジング法に違反する可能性があるからです。

 

フェアハウジング法(Fair Housing Act:公正住宅取引法)は、住居に関する差別を禁止するための法律として、1968年に制定されました。これにより、住宅市場での人種やその他の差別的な行為が法的に禁止されました。その後さまざまな法改正を経て、現在ではより多くの人が法律で守られるよう、包括的な保護を提供しています。

 

フェアハウジング法は以下のような差別行為を禁止しています。

1. 人種、肌の色、宗教、性別、出身国、家族構成、または障害に基づく差別的な住宅の提供や取引の拒否

2. 特定の人々を特定の地域に押し込めるための「赤線政策」や他の差別的な住宅政策の実施

3. 住宅広告やリストでの差別的な表現の使用

4. 住宅に関する融資や保険における差別的な取り扱い

 

この法律を遵守することは、住宅提供者や賃貸業者、融資機関、不動産業者にとって義務であり、違反すると罰金や厳しい法的な制裁を伴う場合があります。

 

フェアハウジング法ができる前は、特定の人々が特定の地域に住むことが禁止されたり、住宅ローンや保険へのアクセスが制限されたりしましたが、50年以上経った今、そのような政策や差別はほとんどなくなりました。現在の住宅市場での差別の多くは、賃貸物件の取引で発生しています。その中でも特に、テナント見込み者が賃貸申し込みを行う際に、家主が人種、肌の色、宗教、国籍、性別、障害の有無などの偏見意識に基づいて入居を拒否する行為が違法となり、通報の対象となっています。

 

アメリカにおいて人種や差別問題は根深く、時には過剰なまでにセンシティブなので、不動産取引に関わる時だけでなく、普段から加害者もしくは被害者にならないように気をつける必要があります。


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