実家 ~ 日本とアメリカの違い

日本と比べて実家の概念が薄いアメリカですが、サンクスギビング、クリスマス、年末年始のホリデーシーズンには、実家に「行って」家族で集まるのが慣例です。この時期になると、私が幼少期に育った日本の実家のことを懐かしく思います。築170年の古民家で、祖父母が他界してから長年空き家になっています。両親が年に数回帰って手入れをしていますが、高齢なので今後この家をどうするかが課題です。そんなことを考えていると、アメリカと日本の実家に対する考え方の違いが気になってきて、調べていくうちに日本の空き家問題との関連性もわかってきました。

アメリカは離婚率が高く、ライフスタイルに合わせて住まいを変化させていきます。家族の人数が増えたり減ったりすると家を買い替え、通勤時間を短縮するために地域間で引っ越したりと、一つの家に長年住み続けることが少ないです。また、アメリカは国土が広いので単身赴任をする人は少なく、転職の度に家族で引っ越す傾向にあります。さらに、多民族国家で歴史が浅いので、先祖から受け継いだ家を守るという考え方がほとんどありません。このように、アメリカでは実家の概念が薄く、実家=親の家となりますので、親が住まなくなれば、その家は実家ではなくなり売ってしまいます。

日本では、人口減少と高齢化が進み実家の空き家問題が深刻化していますが、自分の生まれ育った家や先祖代々の不動産を簡単に売れないという、日本人特有の実家に対する強い思い入れが一因です。また、日本人は新築を好むので、中古物件が非常に売れにくいという住宅流通市場の特徴があります。住宅流通全体に占める中古住宅の割合は、日本がたったの13-14%に対して、アメリカでは90%以上です。アメリカでは、築30年以上の古い家でも、環境やメンテナンスが良ければ価値が下がらず高値で取引されます。そのため、必然的に実家が空き家になることも少ないのです。人口増減率や固定資産税制度の違いもありますが、アメリカは実家の概念が薄いこと、引っ越しと家の売買に積極的であること、中古住宅の流通が盛んであることが、アメリカには空き家問題がない理由ではないかと思います。

Advertisements